秋というにはまだまだクソ暑いですが、秋といえば読書、秋じゃなくてもタイトルにラグビーとついてればなんでも読みたくなるのが人情というものだと思っているので、本の感想をぽちぽち書いていきたいと思います。

GMとして半端じゃない能力を発揮している岩渕健輔さん。
こんなど直球なタイトルで本を書くことが許される数少ない一人です。

岩渕 健輔
ベースボールマガジン社 2016-03
¥ 1,512

岩渕さん何が凄いって

私はこの4年間、15人制の日本代表だけでなく、7人制の男女、女子の15人制、U20などジュニア世代の日本代表と、代表と名のつくすべてのカテゴリーを担当させてもらった。

これ全部試合見るだけで大変なのに、全部のマネージメントに関わってらっしゃいます。
それでワールドカップでもオリンピックでも結果出したんだから有能と言わずになんと言いましょうか。
その頭の中がほんの少しだけ覗ける本です。

2016年3月に発売された本で、当然南アフリカ戦勝利以降の日本ラグビー論。
日本ラグビーとはなんぞや、もっと強くなるにはみたいな壮大なテーマを超天才の岩渕さんがわかりやすく語ってます。
この誰が読んでもわかりやすくってのも能力の一つだなと感じました。
色んな人を説得したりする時に必要でしょうし。

本を開くと本編に入る前のカバー裏から熱いです。

序盤は岩渕さんがGMになってやったこと、「ハードワーク」「エディジョーンズ」など世間が表面的に強さの要因と考える事の必然性が語られています。
いくら優れた練習もヘッドコーチも理にかなってないと効果をあげれないのですね。

あまり他では語られないエディジョーンズvs岩渕健輔の口論なども書かれていて面白かったです。南アフリカ戦の前日もやりあったそう。

そしてエディジョーンズがいないこれから、どういうロジックで日本を強くしていくか。
ジョセフを推した経緯なども詳しく書かれてます。

外国人監督や外国人選手の起用に関する批判への真っ当で力強い岩渕さんの言説も必読です。
勝つことが大事というのは南アフリカ戦で多くの人が共有したはずなのに、まだ強く書くということは内部でもそういう意見があるのかなと邪推しました。

第2章のタイトルは「日本代表は本当に強くなったのか」

今回のワールドカップで言えることは、日本ラグビー全体の力が上がったのではなく、日本代表の力だけが上がった、ということだと思う。

この冷静な視点から日本はどうすればいいのか語る章。
外から見てて思う浅い意見はだいたい予算や事情で上手くいかないこと。
具体的なデータも軸や他競技の例なども踏まえて、じゃあどうすればって話をされてます。

例えでいえば、アルゼンチンの躍進の話も出てきて、前日行われたジェイミージョセフもその話してたし、似たような話がこの本にもかなり出てくるんで、岩渕さんのビジョンとジョセフのビジョンが既に一致してる部分が心強いです。

第3章はスーパーラグビー参戦について。
サンウルブズ参戦の経緯や交渉の過程など興味深い話がたくさんあります。
日本がスーパーラグビーって冷静に考えたらあり得ない話だし、改めて思いついた人とかマジで実現した人に感謝したくなる内容です。
もっと強くなるには第2第3のスーパーラグビーチームを日本から参戦させるのが理想らしく、現在世界で戦えるのが30人なのを90人に増やす目論見もあるとか。

第4章はセブンズとジュニアジャパンの話。
少し古い本を読む楽しみは、未来からの視点で読むことができること。
岩渕さんの努力や思考が控えめに語られているんで、「大丈夫!!そのチームオールブラックスに勝ってベスト4までいくから!」と教えてあげたくなります。

最後の章では具体的な戦略や金の話まで、気が遠くなるような日本代表強化の話。
鼻くそほじりながらラグビー見てあーだこーだ言ってるのが恥ずかしくなるレベルで色々やってくれてます。

そんなファンにも優しい岩渕さん。

2019年、2020年に、みなさんと手を取り合って感動を分かち合うつもりだ。

とりあえず、岩渕さんと手を取り合いたいので鼻くそほじるのはやめます。